お茶の間雑感
福岡県隊友会 会長
文 月
みなさん、今年もまた山笠とともに暑い夏がやってきましたが如何お過ごしでしょうか。7月を旧暦では文月(ふづき)あるいは文披月(ふみひらきづき)というそうですが、その由来が七夕にある(有力説)ということをご存知ですか。
皆さんも七夕には願い事を書いた短冊を笹に下げたことがあると思います。これが「文を広げて晒す月」と言われて「文月(ふづき)」あるいは「文披月(ふみひらきづき)」になったそうです。皆さんは今夏、どんな願い事をされたのでしょうか。
ところで、今月は自衛隊発足からちょうど70年の節目となります。勿論、皆さんがご承知の通り警察予備隊の設置に関する政令が布告され警察予備隊が誕生したのは1950年8月10日のことですから違和感を覚えるかもしれませんが、あくまで陸海空自衛隊という名の国防組織が誕生したのは警察予備隊発足から4年後の1954年7月1日です。
この70年の間に国際情勢は大きく変化し、我が国も当然その変化に巻き込まれながら今に至っているのですが、常に大陸の何処かに不安定な勢力が存在し、それに向き合わねばならないという我が国の地政学的な特性を恨めしく思うのは私だけではないでしょう。そんな中で日々黙々と各種任務や厳しい訓練に取り組んでいる多くの自衛隊員には頭が下がるばかりです。来年3月には統合作戦司令部が創設され、従来に比して統合訓練や協同訓練の頻度も期間も益々増加するのでしょう。この70年間で国の防衛政策や防衛関連法制はずいぶんと進歩しました。自衛隊そのものの体制も態勢も進化してきました。
しかしながら、著しい少子化や働き方の変化によって自衛官を志望する若者が年々減少しているのも事実ですし、最近になって俄かに注目された継戦能力の問題も永年にわたって目をつぶってきた問題です。このように国防組織の本質的な部分については未だに手つかずの分野が多いのではないでしょうか。自衛官とは国家公務員なのか軍人なのか、自衛隊とは行政組織なのか軍事組織なのか(諸外国においては明確に区別されています。)等々を含む憲法上の問題はその最たるものでしょう。
今年は5月から憲法9条の修正のみならず緊急事態条項の加筆を含む国会での議論が行われていますが、同月14日のNHKの世論調査では、「国会で憲法改正に向けた議論を進める必要があると思うか」という質問に対し、「進める必要がある」が60%、「進める必要はない」が25%だったそうです。
七夕の話に戻りますが、今年もまた「どうか憲法改正に関する前向きな議論が進みますように」とお願いしたところです。
最後になりましたが、長期予報によると今年の夏も猛暑となり、残暑も長く厳しいそうです。隊友会員の皆さん、どうかお身体に気を付けて、元気にお過ごしください。